こちらでは、**アトピー性皮膚炎の治療で使われる「プロトピック軟膏」**について、
「どんな薬?」「いつ使う?」「不安になりやすいポイント」まで、わかりやすくまとめています。
プロトピック軟膏とは
プロトピック軟膏は、非ステロイド性の免疫調整外用薬です。
ステロイドとは異なる仕組みで、皮膚の炎症を抑えます。
次のような方に選択されることが多い薬です。
- ステロイドだけでは症状が安定しない
- 顔・首など、皮膚が薄い部位に使いたい
- ステロイドの副作用が気になる
特に、
- 顔や首で再燃を繰り返す
- ステロイドをやめるとすぐに悪化する
こうしたケースでは、
「炎症を抑える」→「再燃を防ぐ」
という目的でプロトピックが使われます。
⚠️ プロトピックは、ステロイドを完全に置き換える薬ではありません。
むしろ、「ステロイドの使用回数や強さを減らすための薬」
と考えると実態に近いです。
【解説】成人アトピーに使われるステロイド外用薬についてはこちら→
プロトピックの作用機序
何を抑える薬なのか
プロトピックは、炎症の原因となる免疫反応に直接働きかけます。
- T細胞の活性化を抑える
- 炎症性サイトカイン産生を抑制
特徴
有効成分の粒子が大きく、正常な皮膚からはほとんど吸収されません。
そのため、外用薬として局所的に作用します。
プロトピック軟膏の使い方
使うタイミング・頻度
→1日2回を基本とします。 1回の塗布量は1本(5g)までです。
以下の状態では使用しません。
炎症が強い場合は、先にステロイドで炎症を落ち着かせてからプロトピックへ切り替えることもあります。
ステロイドとの使い分け
-
炎症が強い → ステロイド
-
落ち着いた後 → プロトピック
プロトピックは維持療法として使われることが多い薬です。
使用に際しての注意事項
- 塗布後、ヒリヒリ感・赤み・かゆみが出ることがあります。
→ 多くは1週間ほどで自然に軽快します。
→ 事前にステロイドで炎症を抑えると、刺激が出にくくなります
- 塗布部は日光・紫外線(日光浴・紫外線ランプ)を避ける
→ 顔に使う場合は、日焼け止めや帽子の使用がおすすめ
- ジュクジュクした部分、掻き壊した部分には使用しない。
プロトピック軟膏でよくある不安
Q1.ヒリヒリ感について

ヒリヒリ感、刺激感の副作用は良く起こるみたいだけど実際どうなのかな

ステロイドを使用し、少し炎症を抑えてから使用すると、数日で軽快することが多いです。
刺激感が起こる理由
→炎症で過敏になっている神経が一時的に刺激されるために起こります。
特徴
- 炎症が強いほど出やすい
- 使い続けると軽減する
ポイント
- 発現率は高いが異常ではない
- 事前に炎症を抑えると軽減しやすい
「悪化したのでは?」と不安になる方も多いですが、
多くの場合は一時的で、数日で気にならなくなります。
塗布後しばらくして痒み、翌日にヒリヒリ感と赤みが出ました。
ただ、2〜3日でヒリヒリ感・赤みは落ち着き、快適に過ごせるようになりました。
大事な予定の前日に、初めて使う・久しぶりに使う場合は注意が必要ですが、
個人的にはとても助けられた外用薬です。
Q2.感染症・免疫抑制について

感染症や免疫の薬と聞いて副作用が気になる。

外用薬のため、全身性への影響は限定的です。
内服と異なり、局所的に作用する薬なので、基本的には大きな感染症の副作用は起こりにくいです。
しかし掻き壊しがある場合は吸収が大きくなるため注意が必要です。
Q3.日光を避ける理由

塗ったところに日光が当たらないようにするのはなぜ?どのくらい避ける?

使用後日光に当たると刺激感が増してしまう、また皮膚がんの可能性が否定できないからです。
ただ、動物実験でリスクが示唆されたため注意喚起されていますが、
人で皮膚がんリスクが増加したという明確な報告はありません。
肌の調子が悪い方にとって、日光は増悪する因子になるので、避けた方が安心です。
ステロイドとの違い・誤解されやすい点
ステロイドより強い薬?弱い薬?
強さはステロイドでいうミディアム~ストロング程度の強さと考えられています。
効かない人がいる?
プロトピックは、炎症がある程度落ち着いている状態で最大の効果を発揮する薬です。
そのため、
- 赤みが強い
- じゅくじゅくしている
- 掻き壊しがある
こうした状態で使うと、
「ヒリヒリするだけで効かない」
と感じやすくなります。
効くまで時間がかかる薬なの?
プロトピック軟膏が刺激やかゆみの元となる物質がすべて放出し、刺激やかゆみを感じる神経が慣れて反応しなくなったら、刺激も感じられなくなり、それと同時にアトピー性皮膚炎によるかゆみもおさまってきます。
そのことから効果が出始めるまでに少しラグが生じます。
プロトピック軟膏のまとめ
プロトピックは怖い薬ではありません。
使い方、起こりうる副作用についてしっかり理解し対策することで安全に使用できる薬です。
ステロイドと対立させるのではなく、使い分けしながら丁寧に使用することが大切です。
参考文献・出典
- 日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」
- 今日の治療薬2020
- マルホ株式会社
- プロトピック軟膏 添付文書
- プロトピック軟膏 指導せん
※内容は2026年1月時点の情報をもとに記載しています。

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